フィギュアスケート女子のエース宮原知子(さとこ=18、関大)が左股関節の疲労骨折で、今月の4大陸選手権(韓国・江陵)と冬季アジア大会(札幌)の国際大会2戦を欠場することが7日、日本スケート連盟から発表された。大事には至っておらず、宮原本人は出場の意向が強かったが、来年の平昌五輪出場枠取りがかかる世界選手権(3月29日開幕、ヘルシンキ)に万全の状態で出場するため、決断した。4大陸選手権は本郷理華(邦和スポーツランド)、アジア大会は坂本花織(神戸FSC)が代わりに出場する。

 日本の五輪出場枠「3」を確保するため、エースの宮原が苦渋の決断を下した。左股関節疲労骨折、全治4週間と診断されたのは1月半ば。多少無理をすれば4大陸選手権、冬季アジア大会の出場も可能で、本人はギリギリまで出場を熱望していたが、各国の五輪出場枠をかけた世界選手権に照準を合わせ、大事を取ることを決めた。「ご心配とご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。今は加療に専念し、世界選手権でしっかりとした演技が出来るよう体調を整えたいと思います」とコメントも発表した。

 左股関節痛は、12月のグランプリ(GP)ファイナル前に発症。だが、痛みをこらえ銀メダルを獲得。昨年末の全日本選手権の時も違和感があったが、3連覇を達成した。痛みが増したのは年が明けてから。1月に名古屋と横浜で行われたアイスショーは痛みをこらえての出演だった。そこから練習をセーブ。今もほぼ毎日氷上で滑ってはいるが、ルッツなど左足軸のジャンプは控えてきた。あと10日ほどで本格的な練習に戻す予定。関係者は「世界選手権はしっかり滑れると思う」と話しているが、どこまで万全の調子に戻せるか不安は残る。

 宮原が世界選手権欠場という最悪の事態となれば、06年トリノ五輪から続けてきた日本女子の出場枠3にも影響が及ぶ。同選手権は本郷理華、村上佳菜子が補欠に選ばれているが、世界トップクラスの力を持ち、大舞台でも崩れない宮原が日本の頼みの綱。日本連盟伊東秀仁フィギュア委員長も「世界選手権が大事。出て欲しいし、早く治してほしい」と早期復帰を熱望した。

 ◆平昌五輪の出場枠 シングルは男女各30人。24枠が17年世界選手権の結果で振り分けられる。出場枠は最大3。世界選手権出場選手が3人の場合、上位2選手の成績を足し13位以内なら3、14~28位なら2、29位以下なら1枠。