【江陵(韓国)15日=高場泉穂】羽生結弦(22=ANA)の応援に大勢の中国人が駆けつけた。フィギュアスケートの4大陸選手権は今日16日、来年の平昌五輪の会場となる江陵アリーナで開幕する。熱心な羽生ファンはどの大会でも見られるが、今回は様子が違う。公式練習を見守った約100人の大半は「加油(がんばれ)羽生」などと書かれた旗を持参した中国の女性で、ジャンプが決まるたびに歓声をあげていた。

 北京から来たというチンヤンさんは「中国にはファンが相当いて、しかも、毎日増えている。非公認のファンクラブもたくさん」と言う。人気の理由は「キュートだから」。名前の響きから「柚子(ユヅ)」「牛(ニュー)」などと呼んでいるという。日本国内の試合のチケットは入手困難で、欧米でのGPシリーズは費用面から観戦するのは難しい。だが、「ここは来やすかった」とチンヤンさん。ここぞとばかりに中国から女性ファンが集結した。

 17日のSPから、さらに増えるのは間違いなく、五輪のテスト大会は、日中の女性ファンの熱気でホームのような雰囲気となりそう。チンヤンさんは「来年の五輪も、もちろん来たい」。中国人ファンの急増は五輪連覇への思わぬ援軍と言えるかもしれない。

 羽生は午後の練習で4回転ループをきれいに着氷した。約2カ月ぶりの実戦での大会初優勝へ、オーサー・コーチは「何の問題もない。いい感じできている」と話していた。