2020年東京五輪・パラリンピックの東京都外の開催経費負担問題で、大会組織委員会がサッカーの1次リーグ会場となる札幌ドームの開催経費総額について、仮設工事費の約27億円に、警備や輸送などの運営経費約92億円を加えた約119億円と試算していることが20日、関係者への取材で分かった。

 組織委は国や都、開催地の6道県に対し、都外11会場の仮設工事費が総額約438億円となる試算を示している。各会場でこれに上乗せされる運営経費の総額はさらに大きくなる見通し。宮城県のひとめぼれスタジアム宮城や千葉県の幕張メッセ、埼玉県のさいたまスーパーアリーナなど他会場を合わせると、大会関係者は「1千億円規模は超える」と話しており、試算の妥当性や自治体の負担を巡って議論を呼びそうだ。

 札幌ドームでは3試合を実施した場合、1試合当たり約40億円かかる計算になる。招致段階の立候補ファイルでは仮設経費として「3億円」のみが計上されていた。経費は各会場を11カ月にわたって使用する前提で試算されているとみられる。

 組織委と国、都、自治体の4者は1月下旬から費用負担に関する協議を開始し、2回目の協議で警備や輸送の試算を各自治体に提示した。今後3回目の協議に入る。