2020年東京五輪・パラリンピック大会マスコットの選考検討会議の最終会合が24日、都内で行われ、選考の最終段階で子どもの意見を取り入れる際、公開する作品数を3、4点にすると公表した。エンブレムも最終段階で4点を公表し、国民の意見を集めた。

 5月中旬に応募要項を公表する。実際の募集期間は夏ごろになる予定。また、現在の検討会議メンバー15人に数人を追加し、5月中旬から「マスコット審査会」を発足させ、応募のあった作品を振るいにかけていく。最終決定は18年前半を目指している。

 課題はプロによる応募がどれだけ集まるか。大会組織委員会は応募意思のある人たちを広く受け入れようと、応募資格に年齢制限を設けなかった(18歳未満は成人を伴うグループでの応募が必要)。一般公募は広く国民が参加できるメリットはある一方で、トッププロが応募を敬遠し、高いレベルでの選考が実現しないというデメリットもはらんでいる。

 組織委の担当者もそれを懸念。検討会議の生駒芳子副座長(ファッションジャーナリスト)は「64年東京五輪ではマスコットがなかった。よって(日本で行われる)夏季大会では今回が初めて。歴史的なものになる。ご多忙を極めるプロの方は、本来のお仕事が少し止まってしまうかもしれないが、ぜひ応募していただきたい」と熱弁した。

 招待状を送れない以上「日本での夏季大会初」といった「名誉」の部分を発信し、プロの心をいかにつかむかしか方法がないところが、組織委としても悩ましい課題だという。

 国際オリンピック委員会(IOC)の推奨などもあり、過去大会のマスコット選考ではプロによる指名コンペがあった。しかし、東京大会では数人のデザイナーに対して内々に招待状を送ったなどの理由からエンブレムが白紙撤回となった反省から、マスコットは一般公募となった。

 応募要項の概要は以下の通り。

 ◆応募資格 一般公募で行い、18歳未満の未成年は18歳以上の大人とグループを組むことで応募できる。

 ◆必要提出物 6面デザイン(前・後・上・下・左・右)。複数の表情。複数の競技ポーズ。プロフィル(制作意図と特長)。

 ◆審査方法 形式要件のチェック→複数の専門家による審査→審査委員会による審査。

 ◆子どもの声 審査過程のいずれかで子どもたちの意見を反映する。

 ◆マスコットの名前 デザイン決定後に専門家が複数案を提示→最終決定段階でマスコット作者も含めて審議。