東地区の秋田ノーザンハピネッツのB2降格が決まった。ホームでの第2戦を65-64で雪辱した秋田は、5分前後半の第3戦に持ち込んだが、試合終了ブザーと同時に得点するブザービーターを横浜に決められ、16-17と痛恨の敗戦。来季はB2で戦うことになる。

 秋田には衝撃の結末が待っていた。16ー14で迎えた第3戦の残り1秒。誰もが残留を確信した瞬間だった。終了のブザーが鳴り響く中、横浜の川村卓也が放った3点シュートが、ゴールに向かって弧を描く。運命のボールがネットの中をすり抜けた瞬間、勝利のブザーが一転、降格を告げる非情のブザーとなった。

 アリーナには3729人のブースターが詰めかけ、スタンドをピンクに染めた。相手フリースローでは地鳴りのようなブーイングを起こし相手ミスを誘う。最強と称される「クレイジーピンク」の援護射撃で、チームは第2戦を制し、その勢いのまま、第3戦でも勝利を手中にするはずだったが……ホームのコートで歓喜を爆発させる横浜の選手の残像を、目で追うしかなかった。

 田口成浩主将(27)は「あれだけの声援を受け2戦目をタイに持ち込むことができた。苦しいときに支えてくれた皆さんに恩返しがしたかった。一緒に喜びたかったです…」と感謝の気持ちを表すと涙で言葉を詰まらせた。まさかの結末に、指揮官も相手をたたえるしかなかった。長谷川誠ヘッドコーチ(46)は「残念な結果で言葉が出てきません。選手は最後まであきらめずに戦ってくれた。あの緊迫した中でシュートを決める川村が見事だった。敵ながらあっぱれです」と悔しがった。

 試合後、ブースター席から「上を向け!」とショックで立ち上がれない選手に向かい励ましの言葉がかけられた。「苦しいときに支えてくれた皆さんに恩返しがしたかった。ここからはい上がります」と田口主将は涙をぬぐい、B1再昇格を誓った。【下田雄一】