五輪と経済の関係に詳しい米スミス大のスポーツ経済学者、アンドルー・ジンバリスト氏が26日、日本外国特派員協会で記者会見し、2020年東京五輪について「成功する要素が見当たらない」と指摘した。24年夏季五輪のボストン招致に反対する市民団体のアドバイザーを務めるなど大規模スポーツイベントが開催都市にもたらす経済効果を疑問視する論者として知られる。

 同氏は英オックスフォード大の研究を引用し、1960年以降の全ての五輪が予算をオーバーしており、特に76年以降の夏季五輪では平均252%の大幅な費用超過だったことを提示した。「五輪は経済効果がとても小さい。東京五輪も予算が現時点で当初の2倍以上。インフラなどでまだ節約できる」と述べた。

 開催都市にとっての数少ない成功例として、92年の夏季五輪を機に観光地として知名度を高めたバルセロナを挙げた。東京も五輪を機にした観光産業の活性化に期待の声が高いが、「東京は既に世界的にも知られている場所」と「五輪効果」に疑問を投げ掛けた。