マクラーレンは23日、2018年のF1世界選手権を戦うマシンMCL33を発表した。同日にはバルセロナでシェイクダウンが行われる予定。

 3年間にわたったホンダとの提携を解消してルノー製パワーユニットに変更し、昨年ランキング9位に終わったチームの立て直しを図る。マシンは創業者ブルース・マクラーレンが50年前に初めてF1に参戦した際にまとっていた伝統のパパイアオレンジとブルーに塗られた。

 エグゼクティブディレクターのザック・ブラウンは「パパイアオレンジへの回帰は単に感情的なものではなく、ファンの声に耳を傾けF1全体に対して深く取り組む姿勢を体現したものでもある。コース内外においてマクラーレンに対するリスペクトを高めたい。2018年はトップチームに近づき、戦うことができると考えている」と説明する。

 レーシングディレクターのエリック・ブリエは「極めて短い期間で新たなパワーユニットに合わせて新車を作り出すという素晴らしい仕事を果たしてくれた。安易な方法に流されることなく、プロセスもソリューションも手近なものに妥協することもしなかった」とチーム開発陣をたたえたが、「しかし幻想を抱いてはいない。上位勢の覇権を打ち砕くのは簡単なことではないだろう。中団グループにも資金力があり経験も豊富なチームばかりだ」と慎重な姿勢を見せる。

 MCL33は前年型の基本コンセプトを踏襲しながら改良が施されているが、パワーユニット決定が昨年9月にずれ込んだことからマシン開発が遅れ、発表会仕様のMCL33はまだ熟成が進んでいない状態。2月26日に始まる8日間のバルセロナ合同テストにはこの状態で臨み、開幕戦オーストラリアGP(3月25日決勝)にはさらに開発を進めたパッケージを持ち込むとしている。

 二度の世界王者であるフェルナンド・アロンソは、トヨタ・ガズーレーシングからWEC(世界耐久選手権)にも参戦するが、あくまで中心はF1だ。

 アロンソは「新車を見てこれ以上なくワクワクしているよ。だけどこのマシンがチームにとってどれだけ重要なものであるかも分かっているし、冷静さも忘れてはいない。去年型シャシーの強みをきちんと進歩させ、ルノー製パワーユニットときちんと一体化させられていれば、僕たちは間違いなく一歩前に進むことができるだろう。見た目は整然としていてよく考えられているし、新しいカラーリングも目立つし素晴らしい。望み通りの速さをもたらしてくれることを願っているよ」と話した。(米家峰起通信員)