世界36位の錦織圭(28=日清食品)が4大大会に次ぐマスターズ大会で、16年ロジャーズカップ準優勝以来の決勝進出を果たした。昨年マスターズ大会2勝で同4位のアレクサンダー・ズベレフ(21=ドイツ)に3-6、6-3、6-4のフルセットで逆転勝ち。22日の決勝では自身初のマスターズ大会初優勝をかけ、同1位のナダル(スペイン)と対戦する。

 最後は緩い深いフォアのリターンだった。相手のタイミングが狂い、バックがアウト。錦織は最高の笑顔で決勝進出を祝った。1月下旬に右手首のけがから復帰後、間違いなく最高の試合。準々決勝と同様に、最後まで決して諦めることなく、高い集中力を保った。

 すごい試合だった。パワーの強打と長い手足で守る相手に対し、錦織はネットプレー、ロブ、ドロップショットなど多彩なショットでかき回す。がっぷり組み合った試合は非常にレベルが高く、錦織復活を十分に印象づけた。準々決勝で3位を破り、準決勝で4位を撃破。力はすでにトップ10だ。

 第1セットは、決して悪くなかったが、相手のパワーに押された。しかし、第2セットに入ると、相手の第2サーブを徹底的に攻撃。相手のサービスゲームを2度破り、奪い返した。最終セットは、お互いに1歩も引かないラリー戦を展開。第10ゲームで、たった1本のマッチポイントをものにした。

 さあ決勝では今大会10度の優勝を誇り、3連覇を狙う世界1位のナダルとの対戦だ。決して楽な相手ではないが、この日のプレーができれば、マスターズ初優勝も夢ではない。