東京オリンピック新種目スポーツクライミングの伊藤ふたば(15=TEAM au)が24日、W杯初参戦となったスイス・マイリンゲンで行われたボルダリングW杯開幕戦とロシア・モスクワで行われた第2戦を終え、羽田空港に帰国した。

 開幕戦は27位で予選敗退したものの、第2戦は準決勝に進出し、8位となった。今季から年齢制限をクリアしW杯の出場権を獲得。「緊張はしなかったけれど、W杯がずっと楽しみで、楽しみが強くて集中しきれていなかった部分があった」と悔しそうに振り返った。第2戦の準決勝に臨む前には、第一人者の野口啓代(28)から「難しい壁だと思って入った方が、登ったときに驚かないよ」と助言を受け「開幕戦では日本の大会と違ってうまく力を発揮できなかったけれど、(第2戦の)ロシアではその反省を生かして準決勝に入ることができた」と手応えも得た。ずっとあこがれだったというW杯の舞台。「迫力があった。決勝を見ていて、1人1人の選手の癖も見ることができて、たくさんのことを学んだ。私もあの舞台に立って戦いたい」と決意を新たにした。

 第2戦ではスピードのW杯にも出場し、大舞台で自己新記録も樹立。17年12月に記録した11秒29から、10秒66と大幅に更新した。「スピードの自己新記録が出て良かった。スピードはまだタイムが遅く世界と戦えるレベルにないので、ベストの記録を更新しようと思って臨んだ」と充実感もにじませる。

 伊藤は25日に16歳の誕生日を迎える。「とくに16歳の目標はないです」と苦笑いしつつ、5月に控える中国でのW杯2連戦に向けて「この2試合で経験したことを生かして、次は決勝に行けるように頑張りたい」と意気込んだ。