レスリング女子で五輪4連覇を成し遂げた伊調馨(ALSOK)らへのパワハラ問題で日本協会強化本部長を辞任した栄和人氏(57)が14日、東京・駒沢体育館で記者会見し「伊調選手、田南部コーチに深くおわびしたい」と頭を下げ、謝罪した。伊調に対し「これから協会を通して会って直接、謝罪したいと思います」と直接謝罪したい意向も示した。

 至学館大の監督として、同体育館で始まった全日本選抜選手権で現場復帰した。公の場に姿を現したのは、日本協会が4月6日の緊急理事会でパワハラ行為を認定後初めて。パワハラの要因を聞かれ「コミュニケーション不足」とした上で「今後2度とこのようなことを起こさないよう常に他人に敬意を持って接したい」と述べた。今後は「指導者として日々精進したい。しっかり勉強しなければ」と話し、協会が設ける研修プログラムを受講することも明言した。

 栄氏は同選手権でひな壇に設けられた役員席に座らず、スタンドで見守った。一方でかつて伊調を指導し、パワハラに遭った田南部力氏は「協会は(テレビ)カメラの前では謝罪したいと言うが、僕らの方には(接触は)一切ない。ただのパフォーマンスだと思っている」と不信感をあらわにした。