東海大が決勝で筑波大を2-1で下し、3連覇を達成した。優勝回数は史上最多の23に伸ばした。

 7番目の大将戦を終えて1-1となり、最後は代表戦で勝負を決めた。東海大の100キロ超級太田彪雅(20)が、81キロ級佐々木健志(21)を試合開始1分37秒、払い腰で一本勝ち。その瞬間、太田は感極まって男泣きした。「(柔道部監督の)上水(研一朗)先生からプレッシャーをかけられて押しつぶされそうだったけど、自分を信じて投げることだけを考えた。勝ち切れて本当に良かった」。決勝前、上水監督から「お前がエースだからな」と背中を押されて送り出された。

 多くの日本代表を輩出する東海大柔道部。この日も男子代表の井上康生監督やリオデジャネイロ五輪100キロ級銅メダルの羽賀龍之介、ジャカルタ・アジア大会100キロ超級王子谷剛志ら大勢のOBが見守った。

 上水監督は「最後の最後で太田が意地を見せてくれた。柔道部の歴史もあるが、今日は常に負けも想定していた。これが団体戦の醍醐味(だいごみ)。(帝京大ラグビー部を大学選手権9連覇に導いた)岩出監督の『勝ってもよし、負けてもよし』という心情で、学生教育において負けから学ぶことも大切だと思う。今日は結果的に勝てたけど、反省は多々ある」と、大学柔道界の“名将”は教育的側面も踏まえて振り返った。