柔道の世界選手権(9月、アゼルバイジャン)女子78キロ超級代表の朝比奈沙羅(21=パーク24)が22日夜、6月にモンゴルで単独修行をしていたことを明かした。

 23日、グランプリ(GP)ザグレブ大会(27~29日、クロアチア)に出場するため羽田空港を出発。搭乗前に取材に応じた朝比奈は6月中旬の東京・講道館での国際合宿後に単独で1週間モンゴルへ渡っていた。「自分の体だけで相手にぶつかる柔道だったので、繊細に体を使えるようになりたいと思った。柔道に近いのがモンゴル相撲だと考えて、独特な体の使い方を学びたかった」と狙いを説明。近年、男子が海外で単独修行を行うことはあるが、女子では極めて珍しい。

 ウランバートルの草原で体重140キロのモンゴル相撲の横綱らと稽古して「かすり傷をつくりながら、投げられたりもしたけど得るものはあった」と手応えも口にした。モンゴル女子代表の合宿にも参加して、柔道の技術も磨いた。遊牧民の移動式住居ゲルにも1泊したが、香辛料を使わない羊肉料理や乳製品が合わず1日1、2食しか食べられなかったという。「ご飯は正直しんどかった…。けど、モンゴルへ行ったことで自分の柔道スタイルとも向き合えた。ちょっとでも進化できたら」。

 GPザグレブ大会は世界選手権前の“前哨戦”となる。昨年の世界選手権は銀メダルで、20年東京五輪に向けても「絶対に世界女王になる」と意気込む。国内では4月の選抜体重別選手権準優勝、全日本女子選手権3位と悔しい思いをした。「国際大会に強いのが自分の売り。今までやってきた勝ち、負け、けが、悩みの全てが『意味がある』と言えるように世界選手権へしっかりとつなげたい」と気を引き締めた。