東京五輪でバスケットボール女子日本代表を銀メダルに導いたトム・ホーバス監督(54)が、男子日本代表の新監督に就任する。21日に日本協会が発表した。男子代表を率いたフリオ・ラマス監督(57)は退任。女子代表の新監督には、アジア杯で暫定的に指揮を執ることになっていた恩塚亨氏(42)が正式に就く。

ホーバス監督が男子チームを指導するのは初めてになる。10年からWリーグのJX(現ENEOS)でコーチを務めたことを皮切りに、女子の指導に関わり続けてきた。代表チームではアシスタントコーチなどを経て17年に監督就任。通訳を付けずに日本語でコミュニケーションを取り、熱意ある指導で日本女子のレベルを引き上げた。

ホーバス監督の後を継いで女子代表を率いる恩塚新監督は、東京五輪ではアシスタントコーチを務めるなど女子代表チームとの関わりは長い。東京医療保健大女子バスケ部監督も務め、歴史の浅いチームを短期間で全国屈指の強豪とした。

17年から男子代表を率いたラマス監督は、19年W杯に日本を13年ぶりに出場させたが5戦全敗。開催国枠で45年ぶりに出場した東京五輪でも、強豪国相手に3戦全敗だった。ツイッターに「4年間の日本代表監督としての旅は終わりを迎えた。(中略)Arigato!」と投稿すると、NBA選手で日本代表の渡辺雄太らが、それに返信する形で感謝の気持ちを表した。【奥岡幹浩】

◆トム・ホーバス 1967年1月31日生まれ。米ペンシルベニア州立大卒業後、ポルトガルリーグのスポルティングを経て90年にトヨタ自動車に入団。94年にNBAのアトランタ・ホークス入り。米独立リーグでプレーした後に再来日し、トヨタ自動車や東芝に所属。指導者としてはJX-ENEOSの指揮を執るなどし、17年に女子日本代表監督に就任。203センチ。

◆恩塚亨(おんづか・とおる) 1979年(昭54)6月5日生まれ、大分県中津市出身。中津南高-筑波大-早大大学院。東京医療保健大に06年に女子バスケ部を創設して短期間で全国有数の強豪に育て上げ、17年から全日本大学選手権4連覇。女子日本代表にはアナリストとして07年から関わり、17年からはアシスタントコーチに就任。銀メダルの東京五輪ではホーバス監督らを支えた。