文部科学省は11日、2012年度予算案の詳細を公表し、20年夏季五輪の東京招致で情報収集や国際発信力を強化するため、スイスのローザンヌに活動拠点を設置する新規事業に約5000万円を盛り込んだ。同地は国際オリンピック委員会(IOC)や各国際競技連盟(IF)の本部が集まる国際スポーツ界の中心。

 派遣する人材を2月から公募し、当面は2人を配置する予定。東京招致委員会の竹田恒和理事長は「要望が実現した形だ。IOCやIFとの連携を密にし、五輪招致に役立て、そこで培った人脈を日本の五輪運動に生かしたい」と歓迎した。

 東京が落選した16年五輪招致ではスポーツ界の外交力の弱さが敗因に挙げられ、国際ネットワークの形成は緊急課題だった。文科省関係者は「スポーツ基本法が制定された背景もあり、目玉の事業になる」と説明した。