<男子テニス:バルセロナ・オープン>◇26日◇バルセロナ

 地元バルセロナ出身のラモスを応援するアウェーの雰囲気の中で、錦織が地力の違いを見せた。最後は鮮やかな逆クロスで8強入りを決めるとガッツポーズ。目の肥えた観客から惜しみない拍手を浴びた日本のエースは「長いラリーも多くて大変だった。お互いいいプレーだった」と敗者をたたえる余裕も見せた。

 同じクレーコートで行われた前週のツアー大会では勝っていたが、相手はクレーが得意な左利きの実力者。第1セットで錦織は第7ゲームをブレークしたが、直後のサービスゲームを落とし、一進一退の攻防が続いた。

 前日のククシュキン戦で悩まされた強風は収まったものの、日差しがきつく、サーブでトスを上げる際に太陽を気にする姿が目立った。錦織はサーブの成功率が徐々に落ちたが、タイブレークで集中力を発揮。2ポイントしか与えずにこのセットを奪った。

 第2セットは出だしの3ゲームを連取し、反撃の機会を与えなかった。「前に出るところは出て、クレーでの戦い方にも慣れてきた」。勝機に畳み掛ける力強さも示し、赤土での戦いを自分のものにしつつある。