<卓球:JA全農世界選手権団体戦>◇第6日◇3日◇東京・国立代々木競技場ほか◇男女決勝トーナメント

 1次リーグB組1位の日本女子は準々決勝でC組3位のオランダに3-2で勝って準決勝に進み、3位決定戦が行われないために2大会ぶりのメダルを確定させた。4日の準決勝で31年ぶりの決勝進出を懸け、香港と対戦する。

 電光掲示板に勝利を意味する「11」が刻まれた。石川佳純の顔が涙でゆがんだ。右手こぶしを握りしめ、こん身のガッツポーズだ。ベンチに戻り、平野に抱きかかえられるとタオルを口に当てて存分に泣いた。

 「チームのみんながつないでくれた(最終)5試合目。このチャンスを逃さないようにと思って…」。

 2-2で迎えた第5試合。2-0でリードしながら、オランダ・エールランドの粘りに2セット奪われ、最終セットまでもつれた。「追いつかれて、負けたと思ってプレーしようと思って気持ちだけでプレーした」。苦しみ抜いた末の勝利にエースは、声を震わせた。

 2012年の前回大会は5位。この日の勝利で3位以上が確定した。最低限のメダルを確保した石川の喜びもひとしおだ。「2年前のリベンジだと思って準備してきたし、2年前の自分を乗り越えることができた」。

 敗戦を糧とした。第2試合で、石川は、2度のマッチポイントのチャンスをつかめず、リー・ジャオにまさかの逆転負け。控室に戻ると「負けた気がしない~」と声を張り上げて悔しがった。

 第5試合前には“絶叫娘”の森さくらからヘアピンを借りて前髪をたばねた。「もやもやしていたので、気合をいれようと思った」。前髪をアップにし、喝を入れた。そして、勝利をもぎ取った。

 世界女王まであと2つ。エース石川が、日本女子のけん引役となる。