2008年北京五輪の競泳男子400メートル自由形の金メダリスト、朴泰桓(25=韓国)が筋肉増強効果のあるテストステロンの成分を含む注射を受けていたと韓国検察が確認したことが27日、分かった。聯合ニュースが伝えた。

 韓国検察は診療記録などから、ソウルの病院が昨年7月に注射を打ったことを確認。病院側は「男性ホルモンの数値を高めるために打った。禁止薬物とは知らなかった」と説明しているという。

 朴泰桓は国際水泳連盟(FINA)のドーピング検査で陽性反応を示したと26日に報じられた。27日付の韓国各紙は所属チームの「禁止薬物を恐れ、風邪薬も飲まないほど徹底して遠ざけてきた」「病院で知らないうちに投与された」などの主張を伝えた。一部メディアは、予防義務は選手にあるとの韓国アンチ・ドーピング機構関係者の見方を伝え、2016年リオデジャネイロ五輪に出られない可能性に言及した。

 チームは昨秋の仁川アジア大会前に、カイロプラクティック(整体療術)などを受けたときの注射が原因とした。当時も禁止薬物が含まれていないかを確認し「投与の理由や目的を糾明するため民事、刑事上の責任を問う」としている。朴泰桓側は先週、傷害容疑で病院を告訴した。ソウル中央地検が捜査しており、本人は既に事情聴取を受けたという。