<男子バレーボール:全国高校総体>◇9日◇3日目◇埼玉・所沢市民体育館ほか◇決勝トーナメント3回戦、準々決勝

 第4シード東北(宮城)が準々決勝で力尽きた。予選から3戦連続のストレート勝ちで4年ぶりの8強進出を決めたが、開催地第1代表の深谷(埼玉)に、フルセットの末に逆転負け。全国制覇を目標に掲げるチームは、23日からの国体予選(東北ミニ国体)で再スタートを切る。

 天国から地獄とは、まさにこのことだ。セットカウント1-1で迎えた第3セット。7-1の大量リードから8連続失点で逆転を許し、8-9からも4連続失点で突き放された。佐々木繁雄監督(58)は「攻撃が単調になってしまった。力で負けました」と潔く敗戦を認めた。

 過去、数々の名勝負を繰り広げてきた深谷との因縁対決。今春の全国選抜大会3回戦では2-1で逆転勝ちしたが、全国高校総体では初優勝した02年決勝以来の対決だった。第1セットを10点差で先取。波に乗るかと思われたが、第2セットは21-21から競り負け、さらに最終セットの連続失点で、精神的に追い込まれた。センター阿部純也(3年)は「最後はブロックにつかまり、自分が決め切れなかった」とエースらしく敗戦を背負った。

 だが、これまで強打一辺倒だった阿部純が多彩な攻撃を習得。大会直前にレフトからセンターにコンバートされた早坂裕貴やライト小川貴大(ともに2年)も切れ味を増した。次なる舞台は国体予選だ。阿部純は「もうこんな試合はしないようにしたい」と高校最後の全国舞台を見据えた。【佐々木雄高】