北京五輪男子400メートルリレー銅メダルの朝原宣治(36=大阪ガス)が、「冷静と情熱」が混ざった特製スパイクでラストランに挑む。引退レースとなるセイコー・スーパー陸上(23日、等々力)の男子100メートルで使用するスパイクが、18日までに完成した。

 朝原はこれまで、「冷静」を意味する白地のスパイクを好んできた。だが、銅メダルを獲得したレースは夢中で走り、ゴール後はバトンを宙に放り投げるほど、喜びを爆発させた。朝原も後日「あんなになるとは思わなかった」と振り返ったほど。この経緯を参考に、ナイキ社が冷静の「白」をスパイクの内側に、情熱の「赤」を外側に取り入れた。

 朝原は現在、沖縄県内で合宿中。北京五輪後は表彰などで多忙を極めたが、練習時間だけは確保し、調整を続けてきた。ラストランだが、花試合にするつもりはない。沖縄では、集中できる環境の中、最後の勝負にかけている。レースには、銅メダルを取ったリレーメンバー全員がエントリー。大会の最後には引退セレモニーも行われる。スパイクの準備も整い、いよいよ有終の美へのカウントダウンが始まった。