「新婚カップル」のような、理想的ペアが誕生した。日本バドミントン協会は28日、都内で北京五輪代表の池田信太郎(28=日本ユニシス)、潮田玲子(25=三洋電機)の混合ペア結成会見を開いた。九州国際大付高の先輩と後輩の2人は、「信太郎さん」「玲子ちゃん」と呼び合う仲で、ペア結成に潮田が「信太郎さんと組めてうれしい」と、まるで婚約発表会見のようだった。2人の拠点は東京と大阪に離れているが、当分は潮田が東京に「通い妻」して、初の混合ダブルスでロンドン五輪のメダル獲得を目指す。

 まるで婚約会見のようだった。潮田が「信太郎さんと組めたのはうれしかった」と満面の笑みを浮かべると、池田も「求めるものが2人とも高い。いいペアになる」と男らしく受け止めた。ロンドンに向けて、美男美女のペアが誕生だ。

 ともに福岡出身で、九州国際大付高の先輩と後輩にあたる。3歳違いのため、潮田の入学と入れ違いで池田は卒業したが、「ジュニアからよく知っていて、強い子がいると思っていた」と池田は子供のころから潮田に注目していたという。07年世界選手権では潮田は小椋と、池田は坂本とのペアで、ダブルスでともに銅メダルを獲得した。

 北京五輪後、ともに目標を見失いバドミントンを辞めることも考えた。そんな時、今年2月に協会からペア結成の打診を受けた。潮田は「新しいことが見つかった。一からチャレンジできるので本当にやりたいと思った」。池田も「彼女のやりたいという強い気持ちを感じた」と息もぴったりだった。

 潮田は三洋電機所属で大阪在住。池田は練習拠点が東京のため、当分は、潮田が東京に「通い妻」して、一緒に練習する。既に都内に部屋を見つけ「大阪と東京の半分半分の生活になるかも」と、大阪との遠距離婚も準備万端だ。

 ペアの名前も公募する。池田と潮田で「イケシオ」は平凡でつまらない。潮田が「何かいいネーミングがないですかね。募集しますか」と提案し、日本バドミントン協会のHPで公募することになった。2人は5月10日から広州で始まる世界混合国別対抗戦スディルマン杯でデビューする。【吉松忠弘】