<高校総体:バドミントン>◇2日◇糸満市西崎総合体育館◇女子シングルス、ダブルス決勝

 バドミントン女子シングルスで高岡西(富山)・高橋沙也加(3年)が、青森山田(青森)・福島由紀を2-0で下して初優勝し、今年3月の選抜大会に続く2大会連続の全国Vを飾った。連覇をかけたダブルス決勝では敗れたが、その雪辱を果たした。08年、同種目ダブルスを制した姉礼華(20=日本ユニシス)の激励が原動力となった。卒業後は実業団の強豪、三洋電機入り。引退した北京五輪代表の小椋久美子さん(27)の後継者として期待される18歳は、12年ロンドン五輪出場を目標に掲げた。

 優勝を決めた高橋が、うれしさで号泣した。今年3月の選抜大会シングルスで優勝。追われる立場で大きなプレッシャーにも勝った安堵(あんど)感が、大粒の涙となった。高橋は「すごくうれしい。相手は2年生だったし、負けられなかった」と、もう両目は真っ赤に腫れていた。

 快勝だった。168センチの長身から繰り出す強烈なスマッシュとネット際のやわらかいショットで、得点を重ねていった。第1セットこそ小差だったが、続く第2セットは反撃を許さなかった。準決勝で左太ももを痛め、直前のダブルス決勝は痛みで本来の力を発揮できず敗れた。しかし決勝はプレーに集中。2年生相手に3年生の意地で故障を乗り越えた。

 小、中学の全国大会で優勝し、現在は高校生ながらナショナルチームに選出される逸材だ。姉礼華も実業団の日本ユニシスに所属するトップ選手。08年大会のダブルス優勝の姉から1日に「悔いを残さないよう頑張って!」とメールで激励を受けていた。

 卒業後は三洋電機入りが決まっている。麦谷正二監督は「まだ完成されていない。伸びしろがある」と将来性豊かなことを強調した。同チームを引退した小椋久美子さんの「後継者」としての期待も大きく、すでに高橋は「五輪を目指したい。リオデジャネイロではなく、ロンドン大会に出場したい」と、日の丸を背負う自覚がある。日本トップクラスの広瀬栄理子らが所属する充実した環境で、期待の新星がロンドンを目指す。【豊本亘】