<フィギュアスケート:GPファイナル>◇初日◇10日◇中国・北京

 女子ショートプログラム(SP)は初出場初優勝を狙う村上佳菜子(16)が自己最高となる61・47点で3位と好位置につけた。鈴木明子(25)が4位、安藤美姫(22)が5位だった。アリサ・シズニー(米国)が63・76点で首位に立った。

 演技を終えた村上の笑顔がはじけた。大舞台の緊張感を乗り越え、連続3回転ジャンプを決めるなど、ほぼ完ぺきだった。リンクサイドで待っていたのは山田満知子コーチ。前日練習では「もっと若いんだからシャキシャキ練習しなさい」と怒られたが、この日は「すごくよかったよ」と、ほめられた。「演技を終えてすぐにほめられたのは初めてだったのでうれしい」。国際スケート連盟公認大会での自己最高得点と同じくらい、うれしかった。

 「真央2世」と評されるが、まだ16歳。思春期らしい素顔ものぞかせる。この日「昨日の夜、母とケンカしました」と、遠征に帯同している母真樹子さんと衝突したことを明かした。午後4時ごろに食事を取っていたが、その後は怒って、夕食も食べなかった。

 だが試合に入れば心機一転。試合前の儀式として、午前練習後には熱い風呂につかる。「体が温まって緊張がほぐれる」。リラックスするように努め、最高の演技につなげた。

 「私も反抗期なんです(笑い)。母もほめてくれるSP?

 母のレベルは高いんです」。和解は、まだお預け。そして今大会もまだ終わっていない。「明日一番いい演技ができるようにしたい」。フリーで最高の演技ができれば、5年前の浅田真央が成し遂げた初出場初優勝も夢ではない。