<ラグビーW杯:ニュージーランド8-7フランス>◇決勝◇23日◇オークランド

 開催国ニュージーランドが1987年の第1回大会以来6大会ぶり2度目の世界一に輝いた。初優勝を目指したフランスに、愛称オールブラックスは競り勝ち。前半15分にプロップのウッドコクが先制トライを挙げ、後半6分にPGで加点。その後は守勢に回ったが1点差で逃げ切った。トライ王は6トライのクレール(フランス)とアシュトン(イングランド)で、得点王は62点を挙げたM・ステイン(南アフリカ)だった。

 黄金色の優勝杯「ウェブ・エリス杯」が再び戻ってきた。世界ランキング1位が、同3位をわずか1点差で振り切り、6大会ぶりの栄誉をつかんだ。地元6万人超の大歓声は鳴りやまない。ニュージーランドにとって、会場のイーデン・パークは24年前もW杯決勝の舞台で初代王者となった「聖地」。当時の決勝の相手もフランスだった。

 重圧からか、この日はわずか8得点。1ケタ得点で決勝を制したチームは史上初だ。それでも、いつもは仏頂面のヘンリー監督が「とてもうれしい。マコウ主将を筆頭に選手たちがよくやってくれた」と最高の笑顔だ。

 ニュージーランドにとってラグビーは宗教のような存在で「オールブラックス」は国民の象徴。デザイン変更はあっても、黒いジャージーは当時と同じ。代表同士のテストマッチで全ての対戦相手に勝ち越していた。自国開催の今大会は優勝以外は許されない雰囲気だった。マコウ主将は「1歩1歩、進んできた。ニュージーランドのみんなと喜びを分かち合いたい」。今大会7戦全勝で頂点を極めたオールブラックスは、まさに世界最強軍団だった。