<冬季ユース五輪>◇14日◇オーストリア・インスブルック◇ノルディックスキー・ジャンプ女子(HS75メートル、K点68メートル)

 ノルディックスキーのジャンプ女子で、高梨沙羅(15=北海道・上川中)が今大会の日本勢金メダル第1号となった。最長不倒の76・5メートルを2回そろえて合計269・3点で圧勝。8日のW杯2位で日本女子初の表彰台に立ったソチ五輪のエース候補が、実力の片りんを見せた。

 スーパー中学生が初代女王に輝いた。1本目でK点68メートルを大きく越える76・5メートルで首位に立つと、2本目も76・5メートルをマーク。参加選手14人中ただ1人2回ともヒルサイズを越え、2位のドイツ人選手に飛距離の合計で9メートル差の圧勝。高梨は「ユース五輪に出られるのは今年だけだし、いい成績が出たことも本当にうれしい」と笑顔で話した。

 今大会の出場が決まっていた昨年から「メダルを獲得したい」と意気込んでいた。昨年の世界選手権銅メダルの16歳、コリン・マテル(フランス)らトップ級の選手は不参加。それでもコンチネンタル杯で上位に顔を出す選手もおり、将来のライバルたちに格の違いを見せつけたことは、2年後のソチ五輪へ大きなアドバンテージとなった。

 試合前日には屋外での開会式に参加した。選手村での生活も含め五輪さながらの体験もできた。個人総合V争いをしているW杯を欠場してまで参加した高梨は「来て良かった」と手応えを感じている。有言実行の金メダルでまた1つステップを上った。

 ◆ユース五輪

 国際オリンピック委員会が14~18歳を対象に創設した国際総合大会。第1回冬季大会は13~22日にオーストリア・インスブルックで開催。14年ソチ五輪と同じ7競技が行われ、60を超える国・地域から約1000人が参加。日本は5競技に32人が出場する。夏季大会は10年8月にシンガポールで第1回が開催された。