内村の金メダルは、あのボルトより鉄板だった!?

 今日7日でロンドン五輪開幕まであと50日となった。開催地・英国は政府公認のスポーツ賭け屋「ブックメーカー」発祥の地。そこで現地のプロのブックメーカーたちの五輪予想をのぞいてみた。すると…スポーツ専門で有名な「ピナクルスポーツ」は、体操の内村航平(23=コナミ)が個人総合で金メダルを取る倍率を1・322倍に設定。ぶっちぎりの単勝1番人気で、あの陸上男子100メートルの世界記録保持者ウサイン・ボルト(ジャマイカ)の1・503倍をも上回っていた!(倍率は6月1日現在)

 日本が誇る「コウヘイ・ウチムラ」は、賭けの本場でも断トツの“鉄板銘柄”だった。世界的ブックメーカーの1つ「ピナクルスポーツ」が、各競技の金メダル倍率を掲示した。

 「Will

 Kohei

 Uchimura

 Win

 The

 Gold

 Medal」(内村航平が金メダルを取るかどうか)

 その項目の「yes」に記された数字はなんと、1・322。大本命に推される“◎”だった。

 この数字がいかにすごいか。それを象徴するのが陸上男子100メートルのボルトの金メダル倍率。先月31日にイタリア・ローマで行われたダイヤモンドリーグで今季世界最高の9秒76で優勝するなど、金メダルは確実とみられるが、1・503倍で内村よりも高倍率だった。

 昨年11月の世界選手権で、内村は国際大会自己ベストの93・631点をマークし、2位のボイ(ドイツ)を3点以上引き離して圧勝。史上初の個人総合3連覇を達成した実力は、英国まで知れ渡っていたようだ。賭け率でも2位のボイの6・540倍を、大きく引き離す。ボルトはレースで足をつったり、フライングしたら金メダルは消える。だが、内村の場合は鉄棒で落下しても金メダルを競えるほど圧倒的な力がある。賭けのプロたちから見れば、数字は当然か。

 「ピナクル-」で他の“有力日本銘柄”の金メダル倍率をみると、体操団体の男子は中国の1・417倍に次ぐ4・840倍。陸上ハンマー投げの室伏は2番人気タイの5・040倍で、柔道女子48キロ級の福見は2・110倍、競泳の男子200メートル平泳ぎの北島は3・240倍で2番人気など、まずまず妥当な数字か。賭けの対象になっていない女子レスリング55キロ級の吉田を除き、日本選手で内村を上回る単勝1本かぶりはいない。

 果たして内村は下馬評通りに、穴党も納得させる勝利をみせられるか。注目の“レース”の号砲は50日後だ。

 ◆ブックメーカー

 1795年に英国で創設されたオグデン社が、ニューマーケット競馬場で始めたのが最初だといわれる。1960年には英国政府公認となり、現在は約8500ものブックメーカーが乱立している。賭けの対象となるのは、スポーツから政治まで多種多様。ブックメーカーは賭けの対象となるレースなどにオッズ(倍率)を提示し、投票を募る。オッズは3倍は2/1など比率で表示され、投票数などによって変動する。