<スピードスケート:全日本選手権>◇最終日◇16日◇長野・エムウエーブ

 自転車競技から復帰した田畑真紀(38=ダイチ)が5度目の五輪に向け完全復活した。1500メートルで国内自己新の1分59秒57をマーク。総合3位に入って3季ぶりのW杯出場を確実にした。バンクーバー五輪後に自転車競技に挑戦し、3季ぶりの復帰だが、ブランクを感じさせず38歳にして進化をみせた。初日首位の高木美帆(18)は2位に終わり、30年ぶりの高校生女王を逃した。穂積雅子(26)が2年ぶり2回目の総合優勝。男子は三輪準也(19)が初の総合優勝を飾った。

 3シーズン前の自分に勝った。女子1500メートル。自転車競技から3季ぶりに復帰した田畑は、自身の国内最高となる1分59秒57の好タイムで制覇。38歳は「スケートを離れる前より、速いタイムを出せた。自分が伸びている」と進化を実感するように言った。

 10年バンクーバー五輪後、自転車競技に挑んだ。すべてはソチ五輪に向けた強化の一環だったが、転向した2年間はスケートのことは忘れて競技に専念。ロンドン五輪出場こそならなかったが、自転車で得たものは大きかった。

 自転車時代は20キロポイントレースなど2日で6種目のハードスケジュールもこなした。2日で6種目の自転車に比べれば、2日で4種目の今大会は苦にならない。「体と気持ちのスタミナが鍛えられた。疲労感があっても、足をしっかり使って滑ることができる」と効果を口にした。

 「今日(5000メートル)の同組の(高木)美帆ちゃんとは20歳差ですよ」とおどけたが、41歳の岡崎朋美とともにスケーターの限界に挑む。「ソチ五輪へのステップとして、W杯など国際大会に出て、どんどんタイムを出して、世界と勝負をしていきたい」。5度目の五輪の目標は初の個人種目のメダル獲得だ。【田口潤】