<卓球:全日本選手権>◇第3日◇17日◇東京・国立代々木競技場

 ロンドン五輪で団体銀メダルを獲得した平野早矢香(27=ミキハウス)が、初戦で高校生にストレート負けをする波乱が起きた。女子シングルス4回戦にスーパーシードで登場したが、前滝初音(16=正智深谷)に0-4と1ゲームも奪えず、そのまま敗戦。同大会では過去優勝5回を誇り、15回目の出場で初の初戦敗退となった。

 銀メダルを獲得してから164日後。平野は女子高生にストレート負けを喫した。敗戦後の会見では、笑みすら浮かべていた。「自分でもどうして負けたのか、まだちゃんと反省できていないんです」。報道陣の問いかけに首をかしげながら答えた。

 タオルで汗をぬぐっても、タイムをとっても、試合の流れは変わらなかった。第1、2、4ゲームは7点。第3ゲームは5点しか奪えず、0-4でストレート負け。「ボールは走っていなかったし、組み立てが難しかった。自分の形を作る前にやられた」。淡々と振り返った。

 この日は混合ダブルス、女子ダブルスに出場してからシングルスに臨んだ。試合数をこなし、会場にも慣れていた。ダブルスの動きとシングルスの動きは基本的に違うが「切り替えがうまくいかなかったのかな…」。同大会では過去優勝5回を誇り、今年は15回目の出場。今まで、初戦敗退したことはなかった。「残念。優勝を狙っていたし、もっと(試合を)やりたい選手もいた。もう少し、試合をしたかった」と話した。

 今日18日には、混合ダブルスの準決勝と決勝、女子ダブルスの3~4回戦が残っている。「まだダブルスが残っているので、気持ちを切り替えてがんばりたい」と言った。【保坂恭子】

 ◆平野早矢香(ひらの・さやか)1985年(昭60)3月24日、栃木県鹿沼市生まれ。仙台育英高1年時の00年度全日本ジュニア優勝。全日本女子優勝5度。08年北京五輪は単3回戦、団体4位。157センチ、54キロ。