ラグビー日本代表のSO山中亮平(26=神戸製鋼)が、笑顔で約3年半ぶりの合宿を終えた。23日、都内で2日間の予定で行われた日本代表合宿が終了。コーチや選手たちと積極的に言葉を交わした山中は「ラインの深さを修正したりとか分からないことばかりなので。ありがたい」と笑顔を見せた。全体練習後にはFW陣の追加練習に交じって走りを繰り返し、急ピッチで連係強化に努めた。

 11年4月、使っていたひげの育毛剤に禁止薬物が入っていたとして、ドーピング違反で2年間の選手資格停止処分を受けた。当時神戸製鋼とはプロ契約だったが、家でしかボールを持てない2年間は社員契約に。「ずっと現役復帰が目標だった」と仕事の後にウエートトレーニングを続けた。昨年5月の復帰後、公式戦出場は4試合にとどまるが「左でキックできる選手は貴重。パスもうまい」とジョーンズ・ヘッドコーチに評価され、再招集された。

 日本代表は11月1日にマオリ・オールブラックス戦を控える。「出遅れているけど少しでも早くフィットしたい。選ばれたからには出たい」。山中の目線は前を向いていた。ひげがなくなりさっぱりした顔つきで、再スタートを切った。【岡崎悠利】