<フィギュアスケート:GPシリーズ第6戦・NHK杯>◇第1日◇28日◇大阪・なみはやドーム

 男子は無良崇人(23=HIROTA)が、首位発進した。ショートプログラム(SP)で、冒頭の4回転+3回転ジャンプを完璧に決めて一気に加速。自己ベストの86・28点をマークした。GPシリーズ第2戦スケートカナダとの2大会連続Vと、GPファイナル(12月、バルセロナ)進出に王手。

 持ち前のパワフルジャンプで、一気に加速した。4回転+3回転のコンビネーションで、出来栄え点も含めて15・11点を稼いだ。冒頭も含めて、3本のジャンプはすべて成功。「安心しすぎてステップでひっかかった」と悔しげな表情を見せたが、堂々の首位だ。

 前日の公式練習、直前の6分間練習ではジャンプが不発。「リラックスすることだけを考えた」と立て直した。今季は4回転ジャンプの精度が上がり演技全体に余裕が生まれた。「今までは4回転に気がいって、他でもミスしていた」。スケートカナダで優勝した勢いをそのまま持続した。

 上位3人が呼ばれるSP後の記者会見。5位の羽生について「彼がこの場にいないことは想像していなかった。ライバルではあるが、同じ日本チームの仲間」と気遣った。ただ羽生がこのまま終わらないことも十分承知している。「この順位をキープしたいが、彼の強さは、フリーで生きる。負けないように」と逆襲に備えた。GPファイナルと2大会連続優勝に王手。それでも「表彰台を目指したい」と浮かれることはなかった。【益田一弘】