<全国高校バスケット選抜優勝大会:山形南89-64四日市工>◇第3日◇25日◇男子2回戦◇東京体育館

 山形南は四日市工(三重)を破り、今日26日の3回戦で明成(宮城)に挑む。

 山形南の持ち味、堅守速攻が第1Qからエンジン全開だ。31-8で第2Qに入ると、U-17日本代表のPF前田悟(3年)を中心に確実に得点を重ねていく。細谷尚寿監督(48)が目を細めた。「もうちょっと厳しいゲームになるかと思ったが、生徒たちが頑張ってくれた」。第2Qが終了して51-22。ほぼ勝利を決定付けた。

 5年連続の夏の全国総体を逃した悔しさが原動力だ。敗戦で気付いたのは「基本が足りない」(細谷監督)だった。それ以降は「ミスがなぜ起きたのかを追及するようになった」と前田は言う。1つのパスやシュート、シュートまで持っていく過程で失敗すれば、1人1人が改善策を考えた。今大会の県大会4試合は400得点、227失点。夏から秋にかけて、伝統の堅守速攻に磨きがかかった。

 今日26日の3回戦は2連覇を狙う明成と激突。54-78で敗れた6月の東北選手権準決勝は、第3Qまで8点ビハインドと互角に渡り合った。進学校のため11人いた3年生は3人だけになったが、前田は「リベンジを」と目を輝かせた。97年の準優勝を超え、日本一を狙う山形南が大きなヤマ場を迎える。【久野朗】