<卓球:全日本選手権>◇第4日◇15日◇東京体育館

 青森山田高勢同士の対決になったジュニア男子(高校2年以下)決勝は、第3シード及川瑞基(2年)が3-0のストレートで第1シード三部航平(2年)を下し、初優勝を決めた。第2セットまで、終盤に逆転する粘りを発揮。20年東京五輪の期待を担う若手筆頭候補に躍り出た。

 及川が最後はバックハンドのストレートで、三部との青森山田中からの同級生対決を制した。序盤から互いに1歩も譲らぬフォアの打ち合い。第1セットは9点目までリードを許し、先にセットポイントを握られたが、諦めなかった。第2セットも4-8から6連続得点で逆転。「落ち着いてできた。第2セットを取られても1-1なので積極的にいけた」と、互いに手の内を知り尽くしたライバル対決を制した。

 三部とは小学時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた。大会前も一緒に練習を重ねた。昨年4月のチリ・オープンU-21(21歳以下)決勝でもセットカウント4-3で三部に競り勝ち、この日の勝利で3勝3敗の五分に戻した。チームメートとして普段は仲の良い2人だが、及川は「同級生には負けたくない」と世代トップの座を譲る気はない。

 表彰式では一番高い位置に立ち、日本男子ナショナルチームの寺島洋介監督から金メダルを贈られた。今日16日からは一般男子シングルスにも参戦する。スーパーシード32人中15人が青森山田高出身者だ。すでに海外遠征の経験豊富な及川は「いずれは(一般男子の)シングルスの方でもチャンピオンにならなければ、世界で通用しない。最終目標はオリンピックに出ること。特に(20年の)東京には絶対に出たい」と力を込めた。【佐々木雄高】

 ◆及川瑞基(おいかわ・みずき)1997年(平9)6月26日。宮城県大和町生まれ。幼稚園の年長から仙台ジュニアクラブで卓球を始める。青森山田中-青森山田高。主な成績は12年全国中学大会準優勝。13年全国高校総体準優勝。13年度全日本ランク16位。プレースタイルは右シェーク裏・裏ドライブ型。家族は祖母、両親、姉2人。161センチ、56キロ。血液型B。