<男子テニス:メンフィス・オープン>◇15日(日本時間16日)◇米メンフィス・メンフィスラケットクラブ◇シングルス決勝

 世界5位の錦織圭(25=日清食品)が、今季ツアー初優勝を、同一大会自身初の3連覇で飾った。

 15年が開幕し、錦織は3大会に出場し、優勝1回を含む10勝2敗と好スタートを切った。これは、11勝2敗だった13、14年とほぼ同じ成績だ。違うのは、今大会に臨んだ時点での世界ランクで、13年は22位で第5シード、14年は16位で第1シードだった。

 昨年は今年と同じ第1シードでも、トップ10と、それ以下の世界ランクでは期待も重みも違う。実は、この大会は室内でバウンドが速めのハードコートという点では、決して錦織有利とはいえない。ビッグサーバーやパワー系の選手向きで、その不利な状況と負けられない重圧に勝っての3連覇は価値がある。

 似たような状況は、昨年9月の全米準優勝後のマレーシアオープンでもあった。4大大会というツアーの頂点から、ツアーで最も格の低いマレーシアに第1シードで出場。負けられない重圧に打ち勝って優勝した。その時に、錦織は「当然を簡単にこなせるのがトップ選手の使命」と話した。その覚悟こそが、今の彼の原動力になっている。

 ◆ツアー同一大会3連覇

 15年に開催予定のツアー64大会で、68年オープン化(プロ解禁)以降に同一大会で3連覇以上は、過去20人が39度達成している。錦織は21人目。現役選手では、ジョコビッチ(セルビア)、フェデラー(スイス)、ナダル(スペイン)、フェレール(スペイン)、ヒューイット(オーストラリア)の5人で、錦織は6人目となる。4連覇以上となると、過去6人で12度と、半分以下に激減する。最多は、05~12年までモンテカルロオープンを制したナダルの8連覇。