花園3位の東福岡(福岡)が県新人大会決勝で東海大福岡に100-0で勝利し、7年連続26回目の優勝を果たした。2月15日から長崎で開催される第41回全九州高校ラグビー新人大会に出場し全国選抜大会の出場を狙う。

 

「3年生の力で九州大会を優勝しよう!」

 

1月上旬。花園を終え、新チームがスタートした東福岡の選手たちがミーティングでそう言い合った。花園準決勝、桐蔭学園戦。要所にモールでトライを奪い、熱戦の末38-46で敗れた2018年度チーム。3年生たちは休養をとったあと、グラウンドに戻り、後輩たちのサポートに回っていた。受験などで来られない選手もいたが、原則的に水、木の週2回が3年生たちの練習参加日に。「引退」で燃え尽きるのではなく、後輩に技術や経験を伝え、強さを継承していく。それが東福岡の新しい伝統になっているそうだ。

「全国3位の選手がアタックの練習相手。うまくならないはずがないですよね。3年生たちに応援されての優勝は、新チームの選手たちも何かを感じてくれているはずです」。“通過点”である県優勝を経て、藤田雄一郎監督(46)が選手たちを労った。この日は花園で活躍したFL小島雅登(3年)やSO吉村紘(3年)ら元高校日本代表候補がウオーターボーイを務める姿が。残りの3年生たちはスタンドから声援を送った。

 

■布巻・水上以来のWキャプテン制

 

新チームはFL永嶋仁(2年)、TB廣瀬雄也(2年)の2人が主将を務める「Wキャプテン制」を採用した。「近年の選手はキャプテンという肩書を背負いすぎてしまう傾向があった」(藤田監督)という反省を生かし、東福岡としては2010年度チーム以来のシステムを取り入れた。前回は布巻峻介(26=日本代表、パナソニック)、水上彰太(26=元パナソニック)がWキャプテンを務め、全国制覇を達成している。この試みに永嶋は「最初に聞いた時は少しびっくりしたけど、ホッとしたというか心強いと思いました。FW、BKにキャプテンがいることで互いの意見も言いやすく、チームがより動ける」と話し、高校日本代表セレクション合宿のため決勝2日前までチームを離れていた廣瀬も「(合宿で)自分がいない間、信頼している仁(永嶋)がチームをまとめていてくれて安心だったし、心強かった」と効果を口にしている。

3年生たちのサポートと、Wキャプテン制で好発進した東福岡。変化と進化を繰り返しながら、頂点への土台作りを進める。【樫本ゆき】