<大相撲名古屋場所>◇14日目◇24日◇愛知県体育館

 人気者の高見盛が、この日も幕内前半の土俵を、一瞬で沸かせた。体重差58キロの巨漢・臥牙丸との一番は、立ち合い当たって圧力を受け止め、伸ばした両腕を引いて次の攻撃に転じようと思った瞬間、202キロの相手はバッタリ前のめりに。決まり手は「引き落とし」だが、本人に技をかけた意識はなかったのだろう。勝負が決まっても、しばし土俵中央に立ちつくし、目を白黒させキョトンとした表情。これには館内も大爆笑だった。「いきなり(相手が)コケたような感じ。ちょっと複雑です。不完全燃焼。あまりにも早かった。でも勝負だから」と高見盛。08年九州場所以来、10場所ぶりの2ケタ10勝目をかけて千秋楽の土俵に上がる。