日本相撲協会が白鵬の師匠宮城野親方(元十両金親)に処分を下す可能性が出てきた。同協会と北の湖親方(元横綱)が、週刊現代の八百長報道をめぐり発行元の講談社などを名誉棄損で提訴した訴訟の口頭弁論が11日、東京地裁で行われた。出廷した北の湖親方が裁判のなかで明かした。

 同訴訟は同誌が「北の湖理事長(当時)が、朝青龍-白鵬戦(06年名古屋場所)の八百長の黒幕」と報じた件。北の湖親方は顔を紅潮させながら「ウソです」「デタラメです」などと、強い口調で疑惑を全面否定した。また同誌は、宮城野親方が愛人と自称する女性に同取組に八百長があったと告白し、その会話が録音されていたと報じたが、北の湖親方は「会話の内容の大方はデタラメと聞いている」となど主張した。

 北の湖親方は宮城野親方の現役時代の師匠。協会顧問弁護士の話とした上で、「当初、宮城野は話していないと言っていたようだが、後で、録音された声は自分のものと認めたと聞いている。ただ、その日は風邪薬をたくさん飲んで意識がもうろうとして、自分が何を言ったか覚えてなく、内容も大方がデタラメだったようだ」などと話した。

 宮城野親方がなぜ架空の八百長話を女性にしたかについては「分からない」と繰り返すばかり。ただし、話の内容が不謹慎で、あらぬ誤解を招いたことに「宮城野は裁判の後、協会から処分を受けることになるだろう」と見通しを語った。終了後、協会に戻った北の湖親方から出廷の報告を受けた武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も「ああいう発言をしたのだから、それは理事会で話し合う」などと話した。