NHKは8日、大相撲の野球賭博事件をめぐり、報道局スポーツ部の30代記者が7月、捜査対象となっていた日本相撲協会関係者に対し、警視庁による家宅捜索の情報を直前に携帯電話のメールで知らせていたと発表した。
NHKは記者会見で捜査情報漏えいを発表したが、情報管理や取材手法をただす声に冷水仁彦報道局長らは硬い表情で「遺憾」「残念」と繰り返すばかりだった。冒頭に「視聴者の皆様に深くおわび申し上げる」とのコメントを読み上げたものの謝罪の言葉もほとんどなかった。
会見は午後4時から東京・渋谷の同局であり、冷水局長のほか、坂本忠宣報道局編集主幹が出席。約50人の記者が詰め掛け、約70分間行われた。
NHKでは08年、放送前のニュース原稿を利用した報道局記者ら3人のインサイダー取引事件が発覚。質疑では「今回も他社からではなく、NHK内から得た情報を漏らしたのではないか」などと厳しい質問が相次いだ。冷水局長は当初「記者はNHK内部の情報に接触していない」と強い口調で否定したが、根拠を問われると「引き続き調査する」とトーンダウンした。
問題発覚の経緯も「取材活動の中でうわさを聞き」と、苦しい説明。メールの送信先や捜査への影響の有無には「警察が捜査中」「言えない」と明確な回答を避ける場面が目立った。
報道陣から記者倫理に「根本的に何かが欠けているのではないか」と指摘され、「コンプライアンス推進に取り組んでいたのに足りない部分があり残念だ」と表情を曇らせた。


