大相撲の人気力士・高見盛(36=東関)が28日、AKB48を卒業した前田敦子(21)に自分の将来を重ね合わせた。いつか卒業=引退するのは角界も同様と認識し、頑張り次第ではさらに未来を充実させられるとの持論を展開した。秋場所(9月9日初日、両国国技館)は、東十両8枚目。あっちゃんの卒業に理解を示しつつ、高見盛はまだ燃え尽きない。

 秋葉原から2駅となりの両国で、高見盛は力士会に出席した。あっちゃんの卒業から一夜明け。角界屈指のアイドル通として、自分の意見をしっかり持っていた。

 高見盛

 卒業は、自分で決めたことでしょ?

 だったら、いいじゃない。これから1人で、自由にできるかもしれない。いつかいなくなるのは、相撲も一緒。卒業や引退で、ひょっとしたら人気が落ちるかもしれないけど、頑張り次第では上がるかもしれない。

 前田敦子は卒業後、女優の道を進む。高見盛の場合、引退後は親方になる。

 高見盛

 相撲だったら、引退後も協会や相撲界を盛り上げていくことができる。どうなるか分からないけど、覚悟は決めてるから。

 何があっても頑張る姿勢は、AKB48グループで推しメンの指原莉乃(19)に似る。スキャンダルがきっかけでAKBからHKTに移籍しても、へこたれない姿に「おバカキャラで面白い。ああなっても続けられるのは、自分の意思なんでしょう。だから応援したくなる」と話した。

 7月の名古屋場所は西十両6枚目で5勝10敗。今場所は、番付を2枚落とすだけでとどまった。幕下に落ちれば、引退は濃厚。かつて人気投票でNO・1になり、“角界のセンター”を経験したが、まげから卒業する時期は確実に迫っている。踏みとどまるには、今場所最低でも5勝が必要になる。

 「若いやつが出てきているし、衰えも隠せない。だから、今持ってるものを出すだけ」。十両で最年長の36歳。おばちゃんたちのアイドルは、まだ表舞台に立ち続ける。【佐々木一郎】