「月曜日の悪夢」を吹き飛ばせ!

 大相撲名古屋場所で綱とりに失敗した大関稀勢の里(27=鳴戸)が29日、綱とり場所を振り返った。千秋楽で琴奨菊に敗れた後、悔しくて一言も発しなかった。あれから1週間。「千秋楽が終わってガクッと来た。場所前から気を張っていたので、いつも以上に疲れました」と打ち明けた。

 大関昇進後、千秋楽は2勝8敗。「悪いところが全部出た。千秋楽は本当に負けが多い。翌日の新聞で負けの記事ばかり見るので『マンデーブルー』です。最後を締めたいと思っていたのに。その悔しさが大きかった」。終わり悪ければ全て悪し-。そこに、自身のもろさと弱さを見ていた。

 それでも「ああいう精神状態や体力の中で15日間できたことは自信になる」と、初めての経験を前向きにとらえた。重圧で3敗した前半と、解放されて白鵬の連勝を止めた後半。「無心にならないと勝てないと思った」と、心の強さをあらためて求めた。

 この日、千葉・松戸市の鳴戸部屋で稽古を再開した。2日からは東北巡業が始まる。「目の輝きを見て、輝いている人と(稽古を)やりたい」と笑いながら話した。【今村健人】