大相撲の横綱審議委員会は24日、東京・両国国技館で開かれて、春場所で初優勝を飾った大関鶴竜(28=井筒)を満場一致で横綱に推挙した。明日26日の夏場所番付編成会議と理事会で、第71代横綱に正式に昇進する。

 横綱土俵入りを雲竜型に決めた大関鶴竜(28=井筒)が、明治神宮土俵入り(28日予定)での初披露に際し、北の湖理事長(元横綱)の3つぞろい化粧まわしをつけることが24日、分かった。昨年6月に還暦土俵入りで使用したものを借り受ける。本来は時津風一門内で貸与するのが通例。一門外から借りるのは極めて異例だ。30日の伊勢神宮奉納相撲から始まる春巡業でも使用する予定だ。

 時津風一門の横綱誕生は61年9月に推挙された柏戸(伊勢ノ海)以来。だが、柏戸の遺族などとも縁遠くなってしまっていることから、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が、優勝24回で昭和の名横綱だった強さにあやかり、出羽海一門の同理事長に懇願。申し出が了承された。27日に行う綱打ち後には、貴乃花グループで22回優勝の貴乃花親方(元横綱)に、雲竜型指導を仰ぐことになった。

 綱打ちも一門内で経験者がいない。伊勢ケ浜一門の白鵬、日馬富士は不知火型のため、綱の長さなども違い、勝手が違う。雲竜型の朝青龍時代に、部屋で綱打ちを行っていた高砂部屋の若い衆に手伝ってもらうことになった。白鵬が11年12月の「双葉山生誕100周年記念事業」(大分・宇佐神宮)で、雲竜型の土俵入りを行った際にも、同様の措置が取られている。