相撲界期待の若手が熱い火花を散らした。埼玉・草加市の追手風部屋で27日、幕内前頭3枚目遠藤(24)と出稽古に訪れた関脇逸ノ城(21=湊)の“第3ラウンド”が行われた。最初の2日間は交互に体調不良があったが、この日は大きな言い訳なし。結果は6勝4敗で遠藤が上回った。

 代名詞「土俵際の魔術師」の面目躍如だった。逸ノ城に右腕で首を巻き込まれ、上手ならぬ左下手の変則“逸ノ城スペシャル”を見舞われたが、こらえて寄り切り。土俵際ですくい投げを受けても俵を伝って残り、上手出し投げを放った。

 逆転の連続に「土俵際はしっかり残ろうと思っている」と遠藤。逸ノ城は「柔らかい。これは行ったと思ったら残ってるし」と舌を巻いた。2人の熱い稽古は今日28日も。「立ち合いを研究しながらやれている」と遠藤は言い、逸ノ城は「やせないとしんどい」。己を知る稽古がつめている。