奈良産業大(奈良県三郷町)硬式野球部員の名前を使って療養費十数万円をだまし取ったとして、県警生活環境課は11日、詐欺容疑などで野球部の元監督新田泰士容疑者(50)や前監督藤原忠理容疑者(43)ら4人を逮捕した。

 今年1月に療養費の不正受給が発覚。県などによると、新田容疑者は2006年10月、三郷町に「みむろ整骨院」を開設し、不正受給の総額は約2年間で約4200万円に上る。

 捜査関係者によると、新田容疑者らは、療養費を請求する施術管理者として勤務実態のない柔道整復師を登録。部員の名前を使って架空の療養費申請書を作成し、十数万円をだまし取った疑いが持たれている。新田容疑者は大筋で容疑を認めている。

 県と近畿厚生局が4月、詐欺と柔道整復師法違反容疑で新田容疑者らを告発。県警は既に整骨院など関係先を捜索、新田容疑者らから任意で事情聴取して捜査を進めていた。

 奈良産大の硬式野球部は、元阪神の湯舟敏郎投手らプロ野球や社会人野球の選手を多数輩出している。