5回に代打を送られ悔しそうにくちびるをかみしめる木浪聖也(撮影・上田博志)
5回に代打を送られ悔しそうにくちびるをかみしめる木浪聖也(撮影・上田博志)

日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏が、2勝1敗で終えた阪神の開幕3連戦を踏まえ、今後の戦いに向けたポイントを解説した。

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2点、1点、1点…。開幕3連戦で浮き彫りになったのは「投高打低」のチーム事情だ。ヤクルトとの3戦で奪ったのは、計4点だった。

桧山 1、2番でチャンスを作らないと厳しいですね。木浪も2試合まではなんとか平静を保てたかもしれないが、ノーヒットが3戦続くと、打ちたいという気持ちが力みになって空回りするし、焦りになってくるでしょうね。

開幕から「1番遊撃」で先発起用されていた木浪だが、1点を追う5回2死二塁の場面、代打鳥谷を告げられた。

桧山 チームとして代打は仕方のないところだが、木浪の打撃内容は悪いとは思わない。福留にも当たりがないが、ここは経験豊富なだけに立て直してくる。福留と違って、木浪は経験が乏しいだけに、早く1本ヒットをだして落ち着きたい。2日からの巨人戦まで1日空くので切り替えをはかりたいところです。

開幕カードでみえた長打力不足だが、本塁打は2戦目の1回に飛び出した3番糸井の1本だけだった。

桧山 むしろ気になるのは4番大山ですね。この3試合をみてもタイミングが合っていない。4回にライトへの犠飛を放ちましたが、本人はあの方向に打つつもりで打っていないと思います。左中間に飛んでもおかしくないボールですから、それだけタイミングが合わないんでしょう。

チームは貧打とはいえ2勝1敗で乗り切った。

桧山 本人のキャリアを考えると酷ですが、ここが当たってくればチームの風向きも変わってきます。チームの行方は「4番」にかかっています。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

4回裏阪神無死一、三塁、中犠飛を放つ大山悠輔(撮影・上田博志)
4回裏阪神無死一、三塁、中犠飛を放つ大山悠輔(撮影・上田博志)