日本ハム・バーヘイゲンはひとつひとつの球種が一級品。序盤のゴロアウトの取り方や、5~7回にかけて奪った5者連続三振を見ても、自身の投球がしっかりとできれば、打者を圧倒することができる。

だが気になるのは、走者を置いてからの投球。走られることに関してはチームもある程度容認しており、本人もそこまでストレスを感じていないと思う。ただ特に得点圏に走者を置いた際、力んでボールを引っかけることが目立つ。投手には力むとボールが抜けるタイプもいるが、バーヘイゲンは明らかに前者。主とする球種が右打者へのツーシームだけに、引っかけて真ん中から外角に低めのボールがいくと、打者はバットとボールの距離が取れて打ちやすくなってしまう。4回のメヒアの二塁打や岡田の右前打などはその典型だ。

例えば、引っかかりだしたらツーシームをフォーシームにする。あるいはスライダーを多くするなど、配球で工夫するのもひとつの方法。これは本人がどう乗り越えるのかを模索していかなければいけない。

実は4回途中で降板した前回登板(8月30日ソフトバンク戦)も同じミスで敗れている。今後も勝ち星を伸ばしていけるのかどうかは、この課題克服がカギになる。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)

4回表西武1死一、三塁、金子に中犠飛を打たれる日本ハム・バーヘイゲン(左)(撮影・佐藤翔太)
4回表西武1死一、三塁、金子に中犠飛を打たれる日本ハム・バーヘイゲン(左)(撮影・佐藤翔太)