無事に開幕したがコロナとの闘いは継続中。ヤクルトに続き巨人にも陽性者が出て、現場の混乱はまだやむ気配がない。これはどこの球団にも起こりうることで、しっかり検査をしていれば、こうした混乱はやむを得ないと感じる。
評論家としても現場に足を運べないジレンマを感じてはいるが、嘆いてばかりいても発展性はない。新しい生活様式が求められる今、ここで6試合同時観戦と同時評論にトライしてみた。画面に6試合を同時に写しながら、各試合のテーマを頭に入れて集中する。評論家のやり方にもいろんな方法があっていい。
まず、目を引いたのが楽天-オリックス。ルーキー早川と2年目宮城の両左腕は対照的。ともに対角線をキーワードにするが、早川は右打者インコースにストレートを意識させ、アウトコースに変化球をベースにしていた。宮城はアウトコースにストレートを軸に、インコースはカーブ、チェンジアップで緩急という組み立てだった。
私は開幕から、早川に対して絶対感は抱けずにいた。どちらかといえば怪しい、そんな印象だった。3回2死二塁、吉田正に対しカウント1-0からインコースを右翼席に運ばれた。前の打席ではアウトコースのストレートを捉えられての左飛で、この打席では無理にインコースを攻めたように映った。
カウントを考えボール球を効果的に使うこと、後続は調子が出ないジョーンズだと頭の中に入れておくべきだった。宮城は浅村に対角線を有効に使って決定打を許さず、中でも外角ストレートで見逃しに仕留めた3球三振は見事だった。
6試合を同時に見ていて気づいたこともある。どの球団も影響の大小はあるが、感染症対策に振り回されている。ここで組織力を挙げて取り組めば、チームの底上げにつながるともいえる。ヤクルト、巨人では陽性者が出たことでレギュラーの入れ替えを余儀なくされた。それは見方を変えれば、これまで出番のなかった選手を使うひとつの好機とも考えられる。現にヤクルトでは松本友、山崎が躍動してチームの苦境で貴重な活躍をしている。巨人でも仙台から急きょ合流した立岡が好守で抜てきに応えている。
西武では故障者が続出する中で、ルーキー渡部はデビュー戦となったソフトバンク戦で左翼へ1号。さらに呉念庭も4試合連続打点を記録した。きっかけは何であれ、層が厚くなるひとつの契機であるのは間違いない。この苦難をプラスに考え、チーム力の底上げが成れば、球団は大きく変貌を遂げることもできる。
(日刊スポーツ評論家)









