新しくなった東京ドームに、岡本和のどしっとした姿は良く映える。その中で出たバックスクリーンへのホームランは、確実に1球で仕留めたバッティングだった。第1打席はストレートの四球。第2打席をどういう心構えで入るか見ていたが、初球の真っすぐをほぼ完璧に捉えていた。

巨人対西武 4回裏巨人無死一塁、岡本和は先制の中越え2点本塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
巨人対西武 4回裏巨人無死一塁、岡本和は先制の中越え2点本塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

岡本和の力からすれば、オープン戦で1本出たからといって、評価が変わることはない。順調に来ているなという印象だ。やはり、巨人はホームで結果を出してこそ、という部分がある。このまま調子を上げていけばいい。

また、中田も攻守に動けていると感じた。第1打席は変化球に泳ぎながらの三振。第2打席はしっかり変化球を捉えたいい当たりの遊ゴロ。状態は悪くない。スイングも力強く、しっかり狙いを絞って打席に入っているのが伝わってくる。

巨人対西武 7回表巨人1死、中田は右越えソロ本塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
巨人対西武 7回表巨人1死、中田は右越えソロ本塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

7回の守備で西武栗山の安打性の打球を好捕。併殺に仕留めた際もよく足が動いていた。そして、守りでいいプレーが出た後の第3打席に注目していた。初球真っすぐをフルスイング。思い切りの良さがあり、あれだけ振ればバッテリーにもある程度の圧力はかけられる。そして2球目のやや外寄りの真っすぐを、今度はコンパクトに捉え、右翼席へ運んだ。

中田にこういう打撃ができれば、4番岡本和、5番中田という打順が見えてくる。核になるオーダーが見えてくれば、チームにも安定感が出てくる。昨年は精彩を欠いた中田だったが、ようやく巨人の中軸を任せられるようになってきた。新外国人の合流が流動的な中、打線の骨格に兆しが見えたことは明るい材料だ。(日刊スポーツ評論家)

巨人対西武 4回裏巨人無死一塁、先制の中越え2点本塁打を放った岡本和(右手前)は生還しナインとタッチを交わす(撮影・滝沢徹郎)
巨人対西武 4回裏巨人無死一塁、先制の中越え2点本塁打を放った岡本和(右手前)は生還しナインとタッチを交わす(撮影・滝沢徹郎)