連敗をどう止めるか。現役時代の11連敗や、監督時代の8連敗を経験しているが、正解は最後まで分からなかった。原因は確かにある。だが修正しようと、1個ずつ詰めていっても、正解に必ずしもならないから、野球は難しい。
阪神矢野監督は2試合連続で主砲の佐藤輝を2番に置いた。ベンチが攻めて行くんだという姿勢を示した打順だ。1点を追う4回無死一、二塁。犠打で走者を進めた方が得点確率は高いと考えたが、6番糸原に強攻策で打たせて左飛に終わった。糸原は小技ができるタイプだし、凡退に終わると後続の打者にさらに重圧がかかる。
しかし矢野監督は選手としても監督としても攻撃的なタイプだ。苦境に立った時こそ、ブレずにやりきるという心理が働くものだ。ただ選手がその攻撃的姿勢を受け止めなければ、中途半端になってしまう。糸原は1ストライクから外角高めの直球を安打狙いなのか、進塁打で引っ張りたいのか、どっちつかずなスイングで凡退した。ベンチが強攻させている以上、直球に絞って強くたたき、引っ張って併殺打に終わってもベンチの責任だ。糸原にはその意図をくんで、迷いのない打撃をしてほしかった。
難しい流れの中で、勝利に導いたのは今季初先発の青柳の好投が大きい。粘り強く投げながら併殺打3つを奪い、球のキレも良かった。昨季のチーム勝ち頭として、開幕に出遅れた責任も感じていたのだろう。そういう思いをマウンド上で表現していたし、その姿に野手も感じるものがあったはずだ。
苦難の末に2勝目を挙げ、波に乗っていくためにはチームとしての形をつくらなければならない。9回に岩崎がセーブを収めたが、現状のメンバーの中では守護神に適任だ。ここ3年、修羅場をくぐった経験値が、他の投手とは違う。さらに7、8回のセットアッパーも含めて勝利の方程式を構築していくことで、初めて連勝を望める態勢になる。4回のような攻撃を1つずつ反省しながら、戦力がない分、チームとして束になることも大事だ。まだ120試合以上、残されている。巻き返せるだけの時間はある。(日刊スポーツ評論家)




