巨人は2試合連続でサヨナラ勝ちと勢いに乗る。交流戦も最終盤。チームとしてはここからリーグ戦再開が視野に入る。

劇的な勝ち方が続いたが、この日は少し落ち着いた試合展開で、選手がセオリーをしっかり考えながらの戦いになると見ていた。

楽天早川の出来を見れば、そうそうチャンスは回ってこない。選手がどういう意識で打席に立っているのか、そういう細部が問われる試合だった。

ひとつの具体例を挙げるなら、3回の無死一塁での梶谷の打席がある。2-1から6球続けてファウルで粘る姿勢はいい。だが、梶谷ほどの経験もある打者なら、走者を進めるバッティングを、さらに突き詰めて考えても良かった。

私の印象では梶谷はかなり力を入れたスイングだった。15日の西武戦でサヨナラヒットも打っており、打ってチャンスを広げたいという気持ちはわかる。しかし、もう1歩冷静に戦況を見ることも、梶谷ならばできるはずだ。

やはり、左打者はヒットゾーンが広い一、二塁間が狙いどころになる。そういう視点があれば、しっかり打つ方向を決めて、バットの面をその方向へ向ける意識が働くはずだ。

確かに最後のカットボールは際どいコースで、フルカウントに持ち込みたい梶谷からすれば、ボールを選んだという判断だったとは感じる。

梶谷が見逃し三振に倒れ、続く秋広の中前打は得点に結び付かなかった。1死二塁の形ならば、先手を取れるチャンスだったと考えると、やりようはあったと感じる。

原監督はそれほどバントを多用しない。それは打者に高いものを求めているからだと理解している。サインは出ていないから普通に打ちました、では突破口を広げる可能性は狭まる。

巨人は首位阪神を追い上げるリーグ戦再開が控える。この日のような、チャンスメークが厳しい試合でこそ、考えたバッティング、工夫が必要だ。そうやって好投手を攻略することで、チーム力は上がっていく。

打者は得点という結果で評価される。そのためには得点圏に走者を置く形を作ること。そのために自分はどうすればいいのか。そこがつながっていけば、相手からすれば手ごわい打線になる。この敗戦で考えることは意外に多い。(日刊スポーツ評論家)

巨人対楽天 ベンチで浮かない表情の巨人原監督(撮影・鈴木みどり)
巨人対楽天 ベンチで浮かない表情の巨人原監督(撮影・鈴木みどり)