巨人は阪神大山の一振りにやられた。4回2死一、三塁で、2ボールから外のスライダーを打たれた。赤星は初球からインハイにシュートを続けた。その入り自体は悪くないが、どちらもボールだった。バッテリーはどうしても「3ボールにはしたくない」心理が働く。それで少し甘くなったところを捉えられた。もし2球目でストライクを取れていれば、違う結果になったかもしれない。

ストライクになるか、ボールになるか、1球の重さを感じた。ただ、巨人としては大山の前の佐藤輝への四球が痛かったし、さらに言えば、1死二塁で野口に許した進塁打が痛かった。三塁線へのゴロを捕った岡本和は二塁走者の近本を一切、見ることなく、すぐに一塁へ投げていた。もし少しでも目でけん制していれば、三進はさせなかっただろう。三塁に進まれたことが、佐藤輝への攻めに影響を与えた可能性はある。もちろん記録上はエラーではないし、失点に直結したわけでもない。だが、隙があった。シーズンが中盤から終盤へと進むにつれ、1球同様、守備でも1プレーの意味は増していく。

岡本和は打撃でも3三振を含む4打席凡退だった。初回はビーズリーのスライダーに空振り三振。ベース板上の球を振りにいっていた。「打てる」とみたからだが、思った以上に曲がりが大きかったのだろう。4回の第2打席は、そのスライダーを引っかけ遊ゴロ。2点を取られた直後の先頭で、かつ初球だった。無理に打ちにいく必要はなかった。6回、8回は一転、真っすぐと落ち球で攻められ、空振り三振を重ねた。

気になって調べてみたら、岡本和の阪神戦はこの日で打率1割7分4厘まで落ちた。他の4球団との成績も挙げると、ヤクルト戦4割4厘、DeNA戦3割6分4厘、広島戦2割8分6厘、中日戦1割7分。投手力に課題があるチームからは、よく打っているが、いいピッチャーが多い阪神、中日は打てていない。主力で、ここまで極端なのも珍しいと言わざるを得ない。

当然、本人も自覚しているはず。この先の優勝争いを制するには4番のバットが不可欠だ。この日は阪神バッテリーにうまくやられたように、相手は研究を重ねてくる。打撃でも、1打席の重さが増していく。修正を加えながら、しのぎ合いで上回っていくしかない。(日刊スポーツ評論家)