現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(55)が試合をチェック。開幕2連勝を呼んだ藤川球児監督(44)の6人継投や、内角をさばいて逆転2ランを決めた森下翔太外野手(24)、28日の開幕戦第1打席で2ランを放った後は7打席5三振の佐藤輝明内野手(26)の打撃について分析しました。【聞き手=松井清員】
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元投手らしい藤川監督の色が出た6人継投でした。前日は村上に9回まで託しましたが、この日は好投していた先発富田を4回64球でスパッと交代。経験不足を考慮して良い感覚を残したまま代え、徐々にイニングを伸ばしていく考えだと思います。プラス中継ぎ陣には早めの今季初登板で“開幕”させ、緊張を解きたい配慮もあったでしょう。
その1人が工藤で、同点とはいえ比較的重圧の少ない5回に2番手でデビューさせました。公式戦の独特の緊張感で制球が定まりませんでしたが、先頭石原を150キロ台の真っすぐで押し込んで打ち取ったように、ストライクゾーンで勝負すれば十分通用するポテンシャルを見せました。開幕2戦目で石井に2イニングいかせたのも、1イニングの限定解除が可能かのテスト的な狙いがあったかもしれません。監督の思惑がほぼはまった2連勝はすごく大きく、3戦目に先発する門別を楽にしたと思います。
もちろん打のヒーローは工藤の黒星も消す逆転2ランを放った森下です。一振りで試合をひっくり返す、これぞ4番の仕事。内角高めを完璧にとらえた意味も大きいです。昨年夏ごろからバットを短く持ち、その場でクルッと回れるようになりました。この日のさばきを見せられたら、相手は内角に投げづらくなります。
森下は続く8回の打席は強引にならず、右前に運ぶ謙虚さを見せました。その謙虚さを求めたいのが佐藤輝です。開幕戦の第1打席で2ランを放った後は、もっと打ったるぞという意識が強く、大振りが目立ちます。謙虚にコンパクトに打てば飛んでいく感覚は分かったと思います。率が上がり相手が怖がる打撃に立ち返ってほしいところです。(日刊スポーツ評論家)




