前日の試合で11連勝で止まった阪神だが、大事なのは連敗をしないこと。大型連勝中というのは、どうしても無理をしてしまう。その反動で疲労が蓄積していたり、連勝が止まって気が抜けてしまい、大きな連敗を招いてしまうことがある。どういう戦いになるのか、注目していた。
阪神を助けたのは、ヤクルトベンチの消極的な攻撃だった。0-0で迎えた4回表だった。3番・内山の四球後、4番・オスナ、5番・太田の連打で2点を奪ったヤクルトだが、イケイケムードの無死一塁、6番の伊藤には送りバントのサイン。バントは成功したが、中村悠がショートゴロ、山野辺は申告敬遠で、投手の石川が三振し、追加点は奪えなかった。
送りバントをせず、強攻策をとってもうまくいくとは限らない。しかし、2点を先制した時点で、あと2回を無得点で抑えれば勝ち投手の権利を得るベテランの石川に代打策はとりにくい。試合終盤なら分かるが、阪神ベンチは当然、ピンチを迎えれば9番石川との勝負を考えていただろう。仮に送りバントをさせるなら、石川に打席が回ってきたら代打を送るぐらいの厳しさがあってよかった。
その裏に逆転された。5回にも先頭打者の岩田が出塁すると、2番の武岡に送りバントのサイン。キャッチャーフライで走者を進められなかった。よく分からないのが、バント失敗の後に岩田が盗塁を成功。そして7回2死一塁でも走者の岩田が盗塁を決めた。阪神の先発・デュプランティエは、岩田のような俊足の走者なら走れるということ。それならば送りバントせず、盗塁でいい。機動力を使って攻められるかは、試合前の段階で分かっているはず。わざわざ送りバントをさせて勢いを止めてしまうような戦術が続いてしまった。
阪神に強さを感じたわけではない。今季2敗している石川に対し、3点を奪ったが攻略したとは言いにくい内容だった。石川の球速は130キロ。これだけ遅いと、打者は空振りの心配が少ない。追い込まれるまでは狙い球を絞って、メリハリを付けて強いスイングを心がける。もしくは積極的にエンドランをかけてもいい。球威がなく、ゴロで打ち取る投手の嫌がる戦い方ができていない。ヤクルト同様に「もったいない」と思える送りバントを多用した。ヤクルトの攻めと、選手の能力の違いで勝てたような試合だった。(日刊スポーツ評論家)




